数字と体験で知る世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」—スケールと価値を歩いて感じる

数字と体験で知る世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」—スケールと価値を歩いて感じる

2025年7月5日

古墳は誰もが知る歴史のシンボルです。
けれど、これほど巨大で圧倒的な存在感を放ちながらも、実際に歩くまでそのスケールが伝わらない存在は多くありません。

わが町藤井寺市を含め堺市、羽曳野市にまたがる百舌鳥・古市古墳群。

2019年、世界遺産に登録されたのは「珍しいから」ではなく「人類全体の歴史にとって特別に大切な証拠だから」
数字だけでは語りきれない、歩いて初めて実感できる迫力と不思議さ――。

この記事では、そんな古墳のビジュアル的魅力と歴史的価値を、わかりやすく数字とエピソードで紹介します。

数字で見る世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」とは?

百舌鳥古市古墳群

大阪府堺市・羽曳野市・藤井寺市に広がる日本最大級の古墳群で、 古墳時代中期(4世紀後半〜5世紀後半頃)に築造された古墳時代中期の巨大墳墓群です。

日本列島におけるヤマト王権の成立と中央集権化を象徴する遺跡群です

2019年に「百舌鳥・古市古墳群:古代日本の墳墓群」と言う登録名称で世界遺産登録されています。

 古墳の数

百舌鳥・古市古墳群全体には約90基の古墳が含まれます。

大きく二つのエリアに分かれています。

  • 百舌鳥古墳群(堺市):約44基

  • 古市古墳群(羽曳野市・藤井寺市):約46基

※現存数・調査による数には若干の変動があります。

世界遺産に登録された数

✅ 登録対象となったのは、全体の中でも特に保存状態や価値が高い45件49基です。
**45件(遺跡単位)・49基(古墳の数)**です。

  • 百舌鳥古墳群:23件(23基)

  • 古市古墳群:22件(26基)

 代表的な古墳

百舌鳥・古市古墳群のなかでも特に有名なのが

🔹 大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)
通称:仁徳天皇陵古墳
全長約486mで日本最大級

🔹 誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん)
応神天皇陵とされる
全長約425m

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「すごい」「珍しい」だけでは世界遺産登録されない

古墳

世界遺産は、「人類全体にとって特別に大切だ」と認められた場所ですが、単に「すごい」「珍しい」だけでは登録されません。

次の条件を満たす必要があります。

文化遺産(基準①~⑥)

人間の創造的才能の傑作
▶︎ タージ・マハル(インド)
 白い大理石で造られた壮麗な墓廟。人類史上屈指の美しい建築のひとつ。

文化や技術の交流を示す
▶︎ シルクロード(中央アジア)
 東西の交易・文化・宗教が交流した歴史の道。

消えた文化や文明の証拠
▶︎ マチュ・ピチュ(ペルー)
 インカ帝国の失われた都市遺跡。

歴史の大事な時期を代表する
▶︎ 古都京都の文化財(日本)
 平安時代以降の日本文化を代表する神社・寺院・庭園。

伝統的な人の暮らしや自然との関わり
▶︎ バリ島の文化的景観(インドネシア)
 棚田や水利システム(スバック)が今も地域で生き続けている。

重要な出来事や信仰に関わる
▶︎ メッカの聖地(サウジアラビア)
 イスラム教最大の巡礼地。


自然遺産(基準⑦~⑩)

特別に美しい自然景観
▶︎ グランドキャニオン国立公園(アメリカ)
 壮大な峡谷と絶景。

地球の歴史の証拠
▶︎ ドーセット・イーストデヴォン海岸(イギリス)
 2億年以上の地層と化石が連なる「ジュラシック・コースト」。

生き物の進化や生態系を示す
▶︎ ガラパゴス諸島(エクアドル)
 ダーウィンの進化論にも影響を与えた独自の生態系。

絶滅危惧種の生息地
▶︎ オカバンゴ・デルタ(ボツワナ)
 多様な野生生物が生きる貴重な湿地。

百舌鳥・古市古墳群が世界遺産として登録された理由

応神天皇陵

百舌鳥・古市古墳群が世界遺産として登録された理由は、世界遺産登録の10の登録条件のうちの2件に該当していたからです。

消えた文化や文明の証拠

▶︎例:マチュ・ピチュ(ペルー)
→「古墳時代」というもう存在しない文化の物証であり巨大前方後円墳はその文化の象徴。

「160,000基以上ある日本の古墳の中で、百舌鳥・古市古墳群は特に代表的で、古墳時代の社会構造や埋葬儀礼を優れた物証として今に伝えています。」

✔ つまり「日本古墳文化の無二の証拠である」という評価です。

日本の古墳の数が約16万基もあるってことに驚くよね。
コンビニの数が5万7千点だからコンビニの約3倍もあるわけです

歴史の大事な時期を代表する

▶︎例:古都京都の文化財(日本)
→4~5世紀の日本で、王権が成立していく歴史の重要な段階を示す。
 設計や技術が当時の権力・社会を物語る。

「巨大前方後円墳をはじめ、堀や埴輪など当時の計画と建築技術が駆使された壮大な構造物群として、日本と東アジアにおける王権の象徴であり、土木技術の発展を示す記念碑的遺構だからです。」

✔ つまり「古墳時代という歴史の節目を象徴する代表例」という評価です。

歩いて感じる古墳の迫力とビジュアル的特徴

津堂城山古墳

百舌鳥・古市古墳群の魅力は、数字だけでは語り尽くせません。
実際に現地を歩くと、そのスケールの大きさに圧倒されます。

たとえば大仙陵古墳(仁徳天皇陵古墳)

全長486メートルといわれてもピンとこないかもしれませんが、歩くと「森の小山が果てしなく続く」感覚になります。
周囲をぐるりと一周するだけで1時間近くかかり、堀の水面に映る緑の斜面はまるで巨大な要塞のように見えます。

誉田御廟山古墳(応神天皇陵古墳)も同様に、前方後円墳ならではの流れるような稜線が特徴的です。
上から見ると「鍵穴型」と呼ばれる形をしていますが、地上からはその全貌がほとんど見えず、かえって「一体どこまで続いているのか」という不思議な気持ちを誘います。

古墳のビジュアル的な魅力は、こんなポイントに表れます。

✅ 前方部と後円部の高低差
(公園部が盛り上がり、前方部へゆるやかに降りていくライン)

✅ 周囲を囲む堀とその水面
(堀に映る影が、古墳をより巨大に見せる)

✅ 埴輪が立ち並んでいたとされる墳丘の縁
(現在は復元や展示でその様子を知ることができる)

これらを間近に見ることで、ただの「古いお墓」ではなく、当時の権力や信仰を可視化する巨大な記念碑だったことが実感できます。

世界遺産に登録されたのは「歴史的価値が高いから」というだけではありません。
現地に立つことで、古墳の造形や空間がどれほど人々の心に影響を与えたかを肌で感じられる、その圧倒的な存在感も理由のひとつです。

もし機会があれば、数字や地図だけでは味わえない「巨大古墳を歩く体験」を、ぜひ実感してみてください。

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