古事記って聞くと、「なんだか難しそう」「昔の神話でしょ?」と思う人が多いかもしれません。
でもこの一冊には、日本人のルーツをたどる、とんでもなく面白い物語が詰まっています。
何もない混沌とした世界に、ふわふわ漂うモヤモヤがあって、
そこから神さまたちがポコポコ生まれて、
天と地が分かれ、命が芽生え、島々ができていく…。
今の日本の風景や文化のはじまりが、ちゃんと描かれているんです。
古事記を知ると、普段なんとなく通り過ぎている神社や地名にも「物語」が隠れていることに気づきます。
それは、私たちがどこから来たのかを思い出させてくれる、大切なヒント。
むずかしい神様の名前を全部覚えなくて大丈夫。
日本の神様は、ただの空想のキャラクターじゃなく、
実際にいた人たちの記憶が溶け込んでいて、
「みんなのご先祖様」として今も敬われています。
だから一度、この神々のちょっと人間臭くて、不思議で、時々笑ってしまうような物語に耳を傾けてみてください。
きっと、古事記が「愛と涙と勇気の神様ものがたり」って呼ばれている理由がわかるはずです。
まずは――
天地が分かれていく、一番はじめのお話から始めましょう。
目次
なーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんもない
天もない。
地もない。
名前もない。
形もない。
ただ、ぐにゃぐにゃ、ふわふわ、くらげみたいに漂うモヤモヤが広がっていました。
でも、いつまでもモヤモヤしてるのはつまらない。
そこで「なんか生まれてみるか…」という声が聞こえたのか、聞こえなかったのか。
モヤモヤの真ん中から、ぱっかーーーんと、何かが成り出ました。
造化三神の誕生
これが最初の神さま
🌟 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
「オレ、いちばん最初に生まれたんで。よろしく。」
そう言ったかはわかりませんが、すぐにスッと隠れてしまいます。
でも、それで終わりじゃありません。
続けて、ぽこん! ぴょこん! と二柱の神さまが出てきます。
🌟 高御産巣日神(たかみむすひのかみ)
🌟 神産巣日神(かみむすひのかみ)
この二人も、「なんか色々生み出しますんで〜」と言ったかと思えば、
やっぱりすぐに姿を隠しました。
この三柱は男でもなく女でもない独神(ひとりがみ)。
だれとも組まず、一人で現れて一人でいなくなる神さまです。
この、最初に現れた三柱(みはしら)の神様はとても特別な神さま。
この三柱は**造化三神(ぞうかさんしん)**と呼ばれています。
1️⃣ 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
天のど真ん中にあらわれ、すべての中心を司る神。
2️⃣ 高御産巣日神(たかみむすひのかみ)
万物を生み育てる力を持つ神。
3️⃣ 神産巣日神(かみむすひのかみ)
命のはじまりと結びの神。
この三柱はとても重要な存在ですが特徴はひとつ。
出てきたと思ったらすぐに姿を隠す。
まるで自己紹介だけして帰る神さまたちです。
造化三神に続く二柱の別天津神
それからまたしばらくして、モヤモヤがだんだん整理されていきました。
上は高天原(たかまのはら)
下は葦原中国(あしはらのなかつくに)
つまり「天」と「地」が、じわ〜っと分かれていく。
さて、このあとも次々に神さまたちが現れます。
うにょっ
ぴょこっ
🌟 宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)
🌟 天之常立神(あめのとこたちのかみ)
この二柱も「独神」。
登場したらすぐに隠れてしまいます。
造化三神に、この二柱をあわせて**別天津神(ことあまつかみ)**といい「天津神」の中でも特別な天津神とされています。
※「天津神」とは、天にいる特別な神という意味です。
これまでの五柱はすべて独神(ひとりがみ)。
ペアではなく、単独で生まれ、誰とも組まずにすぐに姿を隠す神さまたちでした。
ここでちょっと解説
古文では大切な事は繰り返して書きます。
この後に現れる二柱の神も独神ですぐに姿を隠します。この現れてはすぐに姿を隠すという事を7回も繰り返すという事は「隠れる」という事に何かとても重要な事が隠されているのではないかと考える学者もいます。
そうした事を想像しながら読み進むのも古事記の楽しみ方の一つです。
神さまたちは、いろんな「グループ分け」で呼ばれています。
まるで大人気アイドルのユニットみたいに何通りものユニット名で親しまれてきました。
🔹 最初に現れた三柱 → 造化三神
🔹 最初の五柱 → 別天津神
そして次に現れる神様ユニットが神世七代
いよいよ、舞台が整いました。
天と地がわかれ、たくさんの神さまたちが現れ、最後に、とびきり大事なペアが生まれます。
最後の、いざなみ・いざなぎだけを覚えておけば大丈夫
神世七代の神々はこんな感じ
- 国之常立神(くにのとこたち)
- 豊雲野神(とよくもの)
- 宇比地邇神(うひぢにのかみ) と 須比智邇神(すひぢにのかみ)
- 角杙神(つぬぐいのかみ) と 活杙神(いくぐいのかみ)
- 意富斗能地神(おおとのぢのかみ) と 大斗乃弁神(おおとのべのかみ)
- 淤母陀琉神(おもだるのかみ) と 阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)
ペアの神様はそれぞれが兄弟であり夫婦でもあります。
神様の時代では兄弟で夫婦になる事は当たり前のことだったのです。
そして最後に、とびきり重要な二柱が誕生します。
🌟 伊邪那岐神(いざなぎのかみ)
🌟 伊邪那美神(いざなみのかみ)
この二柱が、これから日本列島をつくり、命を生み出す主人公となります。
こうして、
ぐにゃぐにゃのモヤモヤから
天と地が分かれ、
次々と神さまが生まれ、
物語の舞台が整ったのです。
日本の島々がどうやって生まれたのか――
お楽しみに。
イザナギとイザナミによる国をつくる大冒険がいよいよ始まります。
古事記を初めて読む人には「愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記」がお勧め


